工房職人の九分仕立て
ABOUT
ビスポークの製作工程を既製靴の概念に落とし込んだ「工房職人の九分仕立て」の靴。
その名は工程のおおよそ九分(9割)を、ビスポーク職人が手作業でつくり込むことに由来しています。
フィッティングに関わる重要な工程を手作業で行い、以降のアウトソールを縫い付ける工程をマシンで
仕上げる、「手」と「機械」の両方の良さを合わせ持つオーダーシューズです。
オーダー時にはサンプルシューズをご試着いただきます。
その際にフィッティングを確認し必要があれば、より足に合うよう木型の調整も可能です。
CONSTRUCTION
- ハンドラスティング
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アッパーを木型にかぶせ、立体的に成型する釣り込みといわれる作業。機械を使用しない九分仕立ては、時間をかけ手作業でアッパーを引っ張り、木型にしっかりと添わせることができます。さらに2週間ほど釣り込んだ状態で置くことで、アッパーが木型のラインをしっかり保形します。これらの工程によりフィット感の良い靴に仕上がります。
- 中底とその構造
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九分仕立てでは、一般的なドレスシューズの中底に使用されるベンズより厚い、5mmのベンズを使用しています。分厚いベンズを掘り起こして作ったリブ(畝)に、一針一針手作業ですくい縫いを施します。中底の裏に直接ウエルトを縫い込んでいくため、足馴染みしやすく、また堅牢で返りの良い構造になります。こうして作られた中底は、一旦水に浸して柔らかくした上で、木型の底面に固定し乾燥させます。これにより木型に沿った、足なりに近い立体的な中底が完成します。
写真左)一般的なドレスシューズの中底
写真右)九分仕立てシューズの中底