2023-7-21
デリケートクリーム、ミンクオイルと解説してきて今回はシューポリッシュの解説です。
昔から靴墨と聞いて思い浮かべる平たい缶に入っているやつ、シューポリッシュ。
シューポリッシュとはなんなのかと簡単に言ってしまえば、ワックスです。
革の表面にワックスが膜を張ることで、ツヤが出たり、革を保護してくれたり、水から守ってくれたりというような効果が期待できます。
簡単に手に入るのと昔から使っているからということで、いつもこれだけを塗って磨いてお手入れをしているという方もいますが、実は、リーガルの靴のようにお手入れをして長く履くことを考えた場合、シューポリッシュだけでお手入れするのはあまりおすすめできません。
どういうことかというと、シューポリッシュは初めに書いたように、主成分はワックスです。
確かにコーティングすることで傷や水から守り艶を出すことはできるのですが、革に必要な栄養を補給する役割としては不十分です。
その役割を担うのはシューポリッシュではなくシュークリーム(乳化性クリーム)です。
乳化性のクリームとはその名前の通り、水分と油分が混ざり合っている状態であり、役割としては革に必要な水分・油分を補給し、加えてワックス成分も入っているため基本的な保護効果や光沢も出ます。
お肌に例えられることも多いですが、化粧水や乳液といったスキンケアにあたるのが乳化性クリーム、そのあとのお化粧のあたるのがシューポリッシュ、というイメージです。
それぞれを革に塗った時のイメージは
乳化性クリームは、革に浸透する感じ
シューポリッシュは、表面に乗る感じ
です。
そのためシューポリッシュだけでお手入れをしていると、栄養補給が不十分になって革の劣化が起きやすくなるだけでなく、古い余分なワックスが表面に重なっていき、部分的に剥がれて見栄えが悪くなったり、とくに履きジワの入る箇所からパリパリ割れてきてしまうということもあります。
そういった点から、お手入れをしながら長く使っていきたい靴の場合、日ごろのメンテナンスではまずは乳化性クリームがおすすめです。
基本は乳化性のクリームでお手入れをすれば、栄養・光沢・保護の役割というのは果たせますので、そこで完了して大丈夫です。
じゃあいつシューポリッシュ使うの?というと、
例えば乳化性のクリームでしっかりケアをした後に+αとして、全体にシューポリッシュを薄く塗ってブラッシングすることでよりつやを出したりコーティング効果を高めたり、つま先やかかと周りをワックスで鏡のように光らせるハイシャイン(鏡面仕上げ)をするためにシューポリッシュを使うこともあります。
この靴はスタッフ私物ですでに生産が終了した靴ですが、シューポリッシュで鏡面磨きをすると、このように仕上げることもできます。
(長くなりすぎてしまうため鏡面磨きの方法は今回は割愛させていただきます、、、)
今回シューポリッシュに関しては+αとしての使い方をおすすめしていますが、シューポリッシュをメインに使用しても良い場合もあります。
例えば
育てながら、修理しながら長く使うのではなく、1年や半年で靴を買い替えるという方などです。
リーガルの靴の場合はそんなに短期間で買い替えることはなかなかないと思いますが、もう少し安価な革靴を1年履いたら新しいのに買い替えてしまうという方の場合は、そのぐらいの期間であれば革自体の経年劣化や、ワックスの蓄積・硬化による見栄えの悪化はそこまで気にならないと思うので、ツヤ出しやコーティングの為にシューポリッシュだけででお手入れをするというのも一つの方法だと思います!
ここ最近デリケートクリームとミンクオイルの解説記事も投稿しましたが、今回はシューポリッシュの解説でした。
ミンクオイルの記事と今回のシューポリッシュ記事に関しては、ともすると製品自体が悪いと受け取られかねないので表現方法など悩んだ部分もありますが、製品自体はそれぞれ適材適所で活躍する良いものであることははっきりとお伝えしたいです。
ただミンクオイルの記事の後半に書きましたが、色々なケア用品がそれぞれ目的をもって作られているのですが、正しい知識と正しい使い方を知っていないと大事に長く使おうと思ってケアをしていたのに、それがかえって逆効果になってしまっているというケースも見られます。
そういったケースが少しでも減ればと思い、はっきりと悪影響が出るパターンも書かせていただきました。
靴クリームは色々種類があり、リーガルオンラインショップでご購入の際は選ぶのが難しいので、そういった場合の参考になれば幸いです。
何かご不明点などありましたらいつでもお気軽にご相談ください!
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