スエードと雨。

こんにちは。


スエードの特徴に対する感じ方ってかなり人によってまちまちでして、

お手入れが大変、お手入れが簡単
雨に弱い、雨に強い

という正反対な意見が出てきます。

それはなぜなのか、

…結論から言ってしまうと、

お手入れがとても重要で、お手入れ次第でそれらの印象が全然変わってくるからなのです。


スエードというのは、ケア、特に撥水スプレーをしていない状態だと、水や汚れを吸いやすいのですが、撥水スプレーをかけると逆に普通の革よりもむしろしっかり弾く素材です。

つまり、

基本のお手入れがある程度できていると、汚れも水もはじくので、日ごろのケアは時間がかからないし、きれいにも保ちやすい。
そういう方からすると、手入れは簡単だし、多少の雨なら全く気にせず履ける。

お手入れを全然していないと、汚れや水が浸みやすいので汚くなりやすく、落とすのも大変なのでお手入れも難しい。
そういう方からすると、汚れやすいし落とすの大変だし、雨だとすぐびちゃびちゃになっちゃって履けない。
ということです。

それでこんなにもスエードへの印象は180度意見が分かれるという現象が起きているわけです。

僕の私物のスエードシューズに撥水スプレーをかけて、水をかけてみました。

表面で水が玉のようになり、全然浸みていきません。
振ると水滴は転がり落ちていき、表面は全く濡れていない状態になります。

分かりやすいように片足だけ撥水スプレーをかけたうえ（写真左）で、両足に水をかけました。

一目瞭然です。
撥水スプレーの宣伝に使えそうなぐらいはっきりと差が出ています。

撥水スプレーというのは、水だけでなく油や汚れもはじきます。
雨が降ると地面からはねる水はきれいな水ではなく泥水です。
それがそのまま革の表面にかかるともちろん汚れもつきます。

それも同じようにはじいてくれるので、撥水スプレーをかけるかどうかで汚れ具合やその定着具合も全く変わってきます。

特にスエードに関しては何もしていないと水や汚れを吸いやすいのですが、起毛しているため撥水スプレーの効果の恩恵を受けやすく、スプレーをかけるとかなりしっかりとはじいてくれます。

ただ注意点として、この撥水スプレーの撥水効果というのはもちろん永久的なものではありません。
長時間大雨に降られるとその許容量を超えてしまい濡れてきます。

ですが僕は、あまり気にせず雨の日もスエードの靴を履きます。
ある程度手入れをすることを前提とすれば、スエードは濡れた後のトラブルもあまり起きにくいと思っているからです。

先ほどの比較の画像、スプレーをかけていない方にさらに水をかけました。

ちょっとやばそうに見えますが、その後の経過を見てみましょう。

という感じで変にいじらずそのまま乾かしたら全然問題なく戻りました。

実際の濡れた後の処置を流れで説明させていただきますと、
靴がびしょびしょに濡れて帰ってきたら、まずはタオルなどで押さえつけるようにして表面の水分をある程度取ります。（こするのは×です。優しく押さえつけてタオルに吸わせます。）
そのあとは靴の中が塗れているようであれば靴の中にシュードライ（靴用乾燥剤）を入れて、あとは風通しのいいところに置いて乾かしましょう。
大事なのは、濡れているときに変にいじらないこと。
乾いてから、表面の汚れなどをブラッシングで払います。
また汚れを払うのと同時に、毛を起こすような感じでブラッシングをします。
次に、できればスエード用の栄養剤であるスエードモイストミストをかけ、その後に撥水スプレーでまたコーティング。

これが出来れば完璧です。濡れても基本まず問題なく復活します。

※ここまでのスエードと雨のお話ですが、基本的には黒や茶色といった濃いめの色のスエードを想定しています。
白や淡色系のスエードに関して言うと、どうしても少しの汚れでも目立ちやすいため雨の日は基本避けたほうが無難かと思います。
ただその場合も汚れ防止や急な雨に備えて撥水スプレーを日頃からかけることが重要です。

次は日ごろの基本のケアをおさらい。

まずはブラッシングをします。

ブラシの種類に関しては細かくお伝えしようとするとそれでブログが１つかけてしまうぐらいの質量になってしまうので、オールマイティで使うなら馬毛のブラシ（ホースヘアブラシ）が良いと思います！
スエード用として売っているのゴムのブラシや、ワイヤー入りのブラシもありますが、相性もあってこの靴にはこのブラシはちょっと、、というものもあるため、基本は普通の毛のブラシでいいと思います。

ブラッシングをすることで、表面のチリやホコリを払います。
また、毛を起こすような感じでブラッシングをします。
見た目がきれいになるだけでなく、撥水スプレーを使用した際の撥水効果も高まります。

※結構履きこんでいって普通のブラシだと毛がなかなか起きない場合や、擦れたり屈曲する部分がテカっている場合（毛が寝て潰れてテカる場合があります）、スエード用のワイヤー入りブラシを使うと強力なので起こせます。

薄い色のスエードなどで、汚れが気になる場合はバックスガムという消しゴムでこすって落とします。

革用のクリーム状・リキッド状のクリーナーは使えませんのでご注意ください。

クリーム状・リキッド状のクリーナーが使えないのと同様に、スエードは靴クリームが塗れません！

その代わりになるのがスエードモイストミストというスプレータイプの栄養剤です。

これを全体に満遍なくかけます。
至近距離でかけると1か所にかかりすぎるので、20cm程度離して満遍なく吹きかけるのがポイントです。

革の状態を保ち、色も濃くきれいに保ってくれます。

スエードモイストミストをかけてある程度乾いたら軽くブラッシングをして整えて、一番重要な撥水スプレーをかけます。

本当にスエードはこの撥水スプレーを定期的にかけるかどうかで全然違うので、最低限撥水スプレーはかけたいです。

ブラッシングしてミストをかけてスプレーをかけるだけなので、クリームを塗ったりする普通の革のお手入れよりもかなり簡単です。

＜メンズ＞ 50AL BJ ブラックスエード　￥24,200（税込）

最後にスエード素材を甲革に使用した防水シューズのご紹介！

表は本革のスエード、靴内部にゴアテックス ファブリクス搭載で防水の構造です。
シンプルなデザインなので使い勝手が良く、店頭でも大人気のデザインです。

今回お話をしたように、スエードというのは
”ある程度のお手入れ”
さえ出来ていればは天候にあまり左右されず気軽に履けて長持ちする素材です。

是非、定期的なブラッシングと撥水スプレー（＋αで栄養のミスト）でお手入れをして、長くご愛用頂ければと思います。