2024-2-29
今回はプレミアムデリケートクリームの解説です。
これまでに定番のクリームはそれぞれ解説させていただきました。
オンラインショップでクリームをご購入される方に結構参考にしていただけているようでうれしい限りです。
そして今回解説するのは
「プレミアムデリケートクリーム」
です。
まず前提として
ビン入りのベーシックなクリームは仕上がりや使う革に応じて2種類あり、
一般的に紳士の革靴などにおすすめするのが
「乳化性クリーム」
カジュアルシューズや婦人靴など柔らかい革におすすめするのが
「デリケートクリーム」
です。
乳化性クリームはクリーム状で油分やワックスもしっかり配合しているため効果も高めで艶もしっかり出ます。デリケートクリームはジェル状で水分の割合がかなり高め、柔らかい革でも油分などでシミになりにくいので色々な革に安心して使える分、油分による保湿効果やワックスによる艶出し効果は少し弱めです。
では話を戻し、
「プレミアムデリケートクリーム」
とは何なのかというところなのですが、
字面だけ見るとデリケートクリームの成分をリッチな配合にしたもの?
と思ってしまいますが実は全然違い、
デリケートクリームのツヤがかなり出るバージョン
という感じです。
ジェル状で伸びが良いので塗り広げやすいという点や、お手入れの工程が乳化性クリームよりも簡単で手軽にできるというような、デリケートクリームの使いやすさはそのままに、シリコンなどを配合することでツヤが簡単にすごくでます。
ちなみに見た目はこんな感じです。
左から、
乳化性クリーム
デリケートクリーム
プレミアムデリケートクリーム
ちょっと写真だと分かりにくいですが、
乳化性クリームだけクリーム状で結構固めです。
デリケートクリームとプレミアムデリケートクリームはどちらもジェル状です。
ここからが重要な使い方に関して。
前述のように、プレミアムデリケートクリームというのは、デリケートクリームのリッチバージョンではなく、デリケートクリームの使いやすさなのにツヤがすごく出るクリームであり、デリケートクリームとプレミアムデリケートクリームは正直別物です。
ですので、
これまでデリケートクリームを使っていた方や、デリケートクリームの使用が望ましい革のお手入れの場合は基本的にデリケートクリームでお手入れしていただければ問題ない場合が多いです。
というよりむしろプレミアムデリケートクリームではなくデリケートクリームのままの方がいいものも多いです。基本的にカジュアルシューズや婦人靴の場合は普通のデリケートクリームをおすすめするものがほとんどです。
すごく簡単に言ってしまえば、
扱いやすく、強い光沢が簡単に出せるクリームなので
主にツヤを出して仕上げるとカッコいい、ビジネスシューズなどのお手入れの際に、
これだけで済ませて簡単にツヤをしっかり出す
という用途で使うのがおすすめです。
前述の通りこのクリームはジェル状で塗り広げやすく、塗った後は乾拭きで磨くだけで簡単にかなりしっかりツヤが出るのでやり方が難しくないですし、時間もほとんどかかりません。
なので、お手入れにあまり時間をかけたくないという方や色々やるのがめんどくさい。でもツヤをしっかり出したいという方にとてもおすすめです。
あとは
乳化性クリームなどでお手入れをしたうえで、プラスで少量だけ使って光沢感をさらに出す
という使い方もおすすめです。
乳化性クリームでの基本的なお手入れをした後に、米粒ぐらいの量のプレミアムデリケートクリームをつま先に塗り、磨き上げます。そうすると光沢のグラデーションがでて靴に立体感が生まれ、かっこよくなります。
お手入れに時間をかけたくない
お手入れ用品をあれこれ揃えるのが大変
でもやっぱり見栄えは良く保ちたい
というような方にとてもおすすめのクリームです。
ホコリを落とし、クリームを布に取って全体に塗り広げ、乾拭きするだけなので
慣れれば2~3分です。
あとは就活生にもおすすめです。
簡単にできてきれいになるので面接などの前日の夜にささっとできます。
そんなに簡単にできてきれいになるんだったらプレミアムデリケートクリームで良いじゃん。
って思うと思います。
ですが一応個人的には乳化性クリームを用いたお手入れ方法が一番おすすめではあります。
用意するもの、時間、手間は増えますが革への水分、油分の補給と適度な光沢、表面の保護効果など
トータルで見た時に、乳化性クリームの方が効果が高いと思います。
このクリームを使うことでの明確なデメリットになる部分は正直思い浮かびませんでしたが、
しいて言うなら、
まず一つは革の種類や塗る量によっては時間が経つと白っぽく浮いてくることがある点。
基本的にはツヤのあるレザーに本当に少量を塗り広げる使い方がお勧めです。
もしそうなっても中の成分が浮いているだけですのでブラッシングや乾拭きをしていただければ大丈夫です。
あとは光沢の持続力に関して。
簡単にかなり強い光沢が出せますが、光沢の持続力に関してはあまり長くないと思います。
最後にこれはデメリットではないかもしれませんが、表面の触り心地が独特です。
(恐らくシリコンの影響だと思いますが、)かなりさらさら、つるつるとした触り心地で、
革の種類によっては、革本来のしっとりした感じというか革の触り心地が損なわれる(?)場合があります。
というように基本的に寿命が短くなるとかシミになるとか明確なデメリットとして挙げられるものはあまりないのですが、
仕上がりの自然さだったり、効果の高さなど全体的に見た時に手間と時間をかけられるなら乳化性クリームでお手入れをしていただく方がおすすめで、
その手間と時間をかけたくない、かけられなくてお手入れ全然してない、という方にはかなりおすすめなのがこのプレミアムデリケートクリームです。
いかがでしたか。
結構説明が長くなってしまいましたが、
プレミアムデリケートクリームは
デリケートクリームのプレミアムバージョンではなく、
かなり光沢が出るデリケートクリームである
(だから基本的に使う革は異なる)
という点と、
簡単にケアできてツヤをしっかり出したい
という方におすすめのクリーム
という2点が大事なポイントです。
話に出てきた
基本の乳化性クリームや、普通のデリケートクリームのことなどを知りたいという方は
僕が以前書いた各種クリームの解説記事も参考にしてみてください。⇩
店頭では詳しいお手入れのやり方や、この革にはこのクリームというようなより細かいおすすめもご案内できますので、もっと色々知りたいという方や、自分の持っている靴にはどんなクリーム、どんなケア方法が良いか知りたいという方は、お近くのリーガルの専門店でご相談いただくのもおすすめです。
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