2024年4月、リーガルコーポレーションは「ミッション・ビジョン・バリュー」(以下、MVV)を発表しました。これは当社が事業の変革と創出を進め、持続可能な経営基盤を構築するために、企業とすべての社員が目指すべき使命や目標、共有すべき価値観を明文化したものであり、それまでの事業ミッションや経営理念に代わる、新たな指針です。
MVVは社員有志によるプロジェクトによって策定されており、リーガルコーポレーションに対する愛情と未来への希望が凝縮されています。ここではプロジェクトに参加した3名に、策定までの経緯と今後の展望について語ってもらいました。
事業開発部
新規事業課
課長
H・Tさん
1994年度入社
人事部
能力開発課
F・Yさん
2009年度入社
経理部
経理課
H・Kさん
2017年度入社
「リーガルコーポレーションらしさ」を明文化したMVV。
変革と発展を後押しする精神的支柱として浸透させたい
F・Y MVVは、企業としての使命である「ミッション」、目標とすべき世界を示した「ビジョン」、そして社員として共有すべき価値観の「バリュー」という3つの要素で構成されています。策定のきっかけは、2022年度の会社方針の一つであった「次世代リーダー育成」に向けた取り組みです。これまでの課題であった「未来を見据えた新たな指針の構築」を、社員自らが経営層を巻き込む形で進めていこうという提案があり、同年10月に内容の検討を行うためのMVV構築プロジェクトを、人事部が主導して設置しました。その後、公募で選ばれたプロジェクトのメンバーたちが白熱した議論を重ねて、完成したのは翌2023年の10月。半年後の2024年4月に社外へと公表しました。
H・T MVVを策定する前から、当社には事業ミッションと経営理念が存在していました。例えば、以前の事業ミッションは「靴を通して、お客さまに、足元から美と健康を提供する」というものでした。この事業ミッションと経営理念を意思決定や行動の指針として、長らく企業活動を進めてきました。
「同じ方向を向くための指針を」
切なる願いが導いたMVVの策定
H・T しかし、どちらも制定されてから長い年月が経ち、指針としてやや形骸化していた点は否めません。社会情勢はめまぐるしく移り変わり、当社グループを取り巻く経営環境も、商品を購入されるお客さまのライフスタイルも大きく変容しました。そうした中で、以前のままの指針の下で企業活動を行っていては、将来的には社会から求められない企業になってしまうのではないか。私自身、そうした懸念を以前から抱いていました。また、今後も当社が生き残っていくには、世代を超えたコミュニケーションの必要性を感じており、どのように若い世代にバトンタッチをしていくかも考えていました。そのため、プロジェクトメンバーの募集には非常に喜び、ぜひ参加したいと考えました。
H・K 私はその時6年目でしたが、私のような年次が若い社員でも、会社の将来の方向性を決める場に参加できる貴重な機会だと思い、参加しました。
F・Y 当時の当社グループの経営状況も、MVVの構築の後押しになったと考えています。20年からの新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言の発出によって来店・購買客数が大幅に減少したほか、リモートワークの浸透もあってビジネスシューズの需要も激減。当社にとって、かつてない苦況であり、社内の士気も下がっていました。そんな中でも「大変な時期だからこそ、社員が同じ思いを共有し、同じ方向を向いて仕事ができるような指針があるべきだ」という思いは、経営層から私たちに至るまでの多くの社員が共有していました。それが新たな指針構築の動きへとつながったと感じています。だからこそ、プロジェクト発足を発表したときの社内の反応はとても好意的でしたし、メンバーを募集した際にも、想定をはるかに超える人数の応募がありました。
活発な議論から見えた、
会社と仕事への、愛情と誇り
F・Y 選ばれたプロジェクトのメンバーは、部署や地域、年齢も千差万別。人事部としてはさまざまな階層の社員に参加してほしいと考えていたので、狙い通りの結果でしたが、「意見がうまくまとまるのだろうか」と危惧したのも事実です。実際、プロジェクト開始当初から活発な議論が交わされたものの、皆の自分の仕事へのこだわりの強さが障害となり、意見集約は困難を極めました。例えば、小売には小売の、営業には営業のプライドがあり、それを言葉としてMVVに表現したいという思いが強くなりすぎて、ときには意見が対立することもありました。
H・K でも、「リーガルコーポレーションの未来のための指針にしたい」という思いは共通していたので、メンバーの意見はどれも納得できるものでした。だから、自分の意見が採用されないことに不平不満を述べる人はいなかったですし、集約に時間を要したものの、結果的に全員の思いがきちんと反映されたMVVになったと、メンバー全員が感じているはずです。
現在は認知・浸透のフェーズ。
社員一人ひとりに丁寧に伝えたい
F・Y 2023年10月にMVVが完成した後、プロジェクトもMVV推進委員会に名称を変更しました。現在は、当社グループ社員1000名を含む社内外に周知・浸透させるフェーズに入っています。具体的な施策として、広報用のポスターと小冊子を制作して掲示や配布を行ったほか、社員への浸透を図るためのワークショップを各部署、各事業所に出張して開催しています。ワークショップでは、MVVに込められた使命や目標、共有すべき価値観の解説に加えて、一人ひとりが業務の中でどう実践するかを考え、それを参加者全員で共有することで、同じ方向を向いて仕事ができるように意思統一を図っています。MVVの認知は進みましたが、浸透はまだ道半ば。今後は業務へのモチベーションを高めるための表彰制度を導入して、社内で褒め合う文化をつくりあげていく予定です。
H・K 私は推進委員会には参加せず、現在は経理課の業務に全力投球しています。参加はしていなくても、MVVに携わった経験は自身の日々の仕事に主体性と責任感をもたらしています。今回のプロジェクトに参加し、他部署の方々と交流して強く実感したのが、リーガルコーポレーションは自由闊達で、「やりたい」と強く願えば、それを実現できる会社であるということを実感しました。
H・T 自由闊達さと挑戦を尊ぶ気風は「リーガルコーポレーションらしさ」であり、それを明文化したのがMVVであると私は考えます。だからこそ、社員たちにはもっと自由に動いてほしいですね。言いたいことは遠慮せずに口に出して構わないし、思いついたことはすぐ行動に移すべき。変化の激しい時代を乗り越えるためのイノベーションは、そんな奔放さの中から生まれるものだと思っています。当社グループの社員は優秀で真面目ですが、やや大人しい面もあるので、今後は年長者として「もっと自由に動いても大丈夫だよ」と彼らを盛り立てていきたいですし、今後も推進委員会のメンバーとして、「リーガルコーポレーションらしさ」の結晶であるMVVの浸透に力を注いでいくつもりです。