クロストーク #02
サステナビリティ推進会議

リーガルコーポレーションでは、2023年から「サステナビリティ委員会」と「サステナビリティ推進会議」を設置して、豊かで持続可能な社会の実現のための取り組みを推進しています。この2組織は、前身である環境管理推進委員会(EMS委員会)を組織改編して誕生したもので、その改編を主導したのは、問題意識を抱いた社員たちでした。
改編までの経緯や、新たな組織でどのような施策を進めているのかについて、サステナビリティ推進会議のメンバーである2人に詳細を語ってもらいました。

総務法務部
総務課
O・Yさん
2006年度入社

ビジネスソリューション部
イノベーションデザイン課
H・Kさん
2016年度入社

社員もあまり知らない、当社のサステナビリティ貢献。
社内外にアピールしながら、活動を推進したい

O・Y もともと、当社にはEMS委員会(以下EMS)という組織が2012年より設置されていて、私もH・Kもそのメンバーでした。EMSでは月に1回会議を開催しており、その中で事業本部ごとに環境対応にかかわる課題を選定し、解決のための取り組みや、進捗状況の確認・報告を実施してきました。当社は皮革を扱う産業の中でも規模の大きな会社なので、周りの環境に与える影響については特に意識して施策を進めてきたと自負しています。

H・K しかし、15年に国連総会で「持続可能な開発目標」が採択されて以降、企業に求められる社会への貢献は環境対応だけにとどまらなくなりました。具体的には、多様性・公平性・包括性を尊重した人材育成と労働環境の整備、地域社会への貢献などです。EMSでもこれらが話題に上る機会が増えつつあり、「EMSの名称を変更して、検討範囲を環境対応以外にも拡大した方がよいのではないか」と考えました。

O・Y 21年ごろから、H・Kを中心とする社員たちが名称変更を打診し、社長を含むEMSのメンバーで検討を重ねた結果、組織自体も改編する形で「サステナビリティ委員会」と「サステナビリティ推進会議」が23年、同時に発足しました。

実働部隊として独立した推進会議。
より迅速なアクションが可能に

H・K EMSが2つの組織に分かれたのは、サステナビリティへの取り組みをよりスピーディーに進めるためです。代表取締役社長と常勤取締役が参加するサステナビリティ委員会はあくまで承認機関としての機能が主で、その下部組織である推進会議が、実働部隊としてさまざまな取り組みを実際に遂行します。推進会議では5つの部会を取締役がそれぞれ管掌し、その下で各事業本部から選ばれた管理職と、私たち一般社員が課題解決に取り組む形となっています。実働部隊が独立したことで、柔軟で即時性のある対応が可能になりました。

O・Y また、推進会議内に部会が5つ存在するのは、「5つのマテリアリティ(重要課題)」ごとに部会を設置したからです。これは、当社が持続可能な社会の実現に貢献しながら事業を継続していくために、重点的に取り組む必要のある課題をまとめたものです。事業部門ごとに「当社の経営上のリスクとなる課題は何か」を洗い出し、メンバーが優先順位をつけながら分類・整理し、「循環型社会の実現」「持続可能なサプライチェーンの構築」「気候変動への対応」「一人ひとりが活躍できる環境整備と人材育成」「地域社会への貢献」の5つの要素に集約しました。

H・K 推進会議では、23年度は5つのマテリアリティの特定と、課題の解決のためのプロセスを計測・評価するための指標づくりを実施しました。24年度は解決のために取り組むべき具体的な施策の選定と、「いつまでに、何を、どの程度まで実現すればよいか」というロードマップの作成を主に行っています。

推進会議に改編して気づいた、
社員のモチベーションの高さ

H・K 推進会議に改編して以降、各部署からの相談件数が増加しました。組織ごとの役割が明確になったことが、その理由だと思います。「サステナビリティ推進のために、こういう取り組みをしたい」というアイデアが浮かんだら、いまは私やO・Yなどの推進会議のメンバーに相談すれば、すぐに部会の議題に乗せ、検討が始まります。部会には取締役も管理職もいるので、可否の判断もとても早い。そして実際に採用されれば、高い確度で実現できます。

O・Y 気軽に相談できて、決定もスピーディー。話が早いから、相談する側もやりやすいはず。逆に言えば、EMSのころは「サステナビリティに取り組みたい」と考えたけれど、相談できなかったので断念したという例も多かったのかもしれません。相談件数が多いということは、それだけサステナビリティへの高いモチベーションを持つ社員が多いということです。

地道に継続してきた取り組みに
光を当てる

H・K EMSが発足してから、環境対応に真摯に取り組んできたことで、社員の意識が着実に育っています。だから、推進会議の発足以前から長年にわたって地道に継続してきた環境対応や社会貢献のための活動は、実はたくさん存在します。

O・Y 例えば、2011年から本社のある浦安市内の小学校で、課外授業をさせていただいています。社員が、皮革は食肉の副産物であることや、靴の仕組みについて解説したり、子供たちに実際に皮革を手にしてもらい、簡単なクラフトに挑戦してもらったり。これらはサステナビリティという言葉が一般化する以前から長年取り組んできた、当社の地域貢献です。他にも、靴をつくる際にどうしても切れ端や靴に適さず廃棄されてしまう皮革が出てしまうのですが、それをアップサイクルして小物を製作し、ノベルティとして活用、一部店舗で販売もしています。製作しているのは、当社の特例子会社で雇用している、障がい者の方々です。社内でもあまり知られていないかもしれませんが、これもサステナビリティ推進活動の一つです。

H・K 実施しているけれども、今まで知られていないサステナビリティ推進のための活動を見つけて、社内外の双方にPRすることも、推進会議の大事な役割の一つだと考えています。

社内外への適切なアピールで
より大きな輪に

O・Y こうした活動が社内に適切に周知されれば、社員にとっては、自身の日々の業務が社会貢献にどのようにつながっているかの気づきを得るきっかけとなりますし、自信やモチベーションを高める機会にもなります。

H・K 社外へのPRもとても重要です。サステナビリティの推進は、売上や利益と結びつけにくいと考えがちですが、実は企業のブランド価値を向上させ、販売につながるマーケティングの一環でもあります。これまで当社を支えてくれたお客さまやファンが、自信を持って「『リーガル』が好き」「リーガルコーポレーションの靴を履いている」と感じてもらえるような企業を目指して、アピールしていきたいですね。私たちが行っているサステナブルな取り組みが企業価値を高め、その価値に共感いただいた方と協働していく、そんな大きな輪にしていきたいと考えています。