クロストーク #03
ファンミーティング

リーガルコーポレーションでは、「リーガル」ブランドの熱心な愛好者の方々を対象とした「ファンミーティング」を、2020年1月から開催しています。開催の目的は、ファンの皆さまに「リーガル」ブランドへの愛情や信頼をさらに深めてもらうと同時に、製品やサービスへのニーズを捉えて、経営やマーケティングに生かすこと。
このファンミーティングは社員の一人が発案し、社内の有志たちの協力を得ながら、ボトムアップの形で実現したものです。どのようなきっかけで誕生し、現在に至るのか。発案者本人と、実際の運営に携わる2名に余すことなく語ってもらいました。

内部監査室
室長
T・Nさん
1992年度入社

コミュニケーション
デザイン部
CXデザイン課
N・Mさん
2016年度入社

ビジネスソリューション部
イノベーションデザイン課
S・Aさん
2019年度入社

熱心なファンを一番大切に考えること。
それが当社グループの「お客さま第一」

N・M ファンミーティングは、現在(2024年9月末時点)までに計6回開催しています。対象となるのは、小売店舗の会員システム「REGAL MEMBERS」の会員の方々です。開催の数ヵ月前に当社ホームページやSNS、店頭、REGAL MEMBERSアプリなどで告知を行い、毎回20~40名程度の参加者を募集しています。ファン同士、そしてファンの方々と社員が直接コミュニケ―トし合える場であることを目指しています。

S・A ファンミーティングでは、ファンの方々と社員が靴や「リーガル」について思い思いに語り合うグループトークや、本社内にある資料館「アーカイブス」の観覧、ビスポークシューズを製作する様子の見学、レザーグッズの製作体験など、ファンの方々に楽しんでいただけるよう、回ごとに多岐にわたる趣向の企画を用意しています。

T・N これまでは本社での開催のみでしたが、前回(第6回)は、初めて本社を離れて、新潟工場(チヨダシューズ株式会社)での見学ツアーを実施。地方での開催でしたが、北海道や宮崎県など、かなりの遠方から参加したファンの方々もいて、とても嬉しかったですね。

アイデアのきっかけは、
一冊の本との出会いから。

T・N このファンミーティングは私が発案し、19年2月に開催された社内研修の中でプレゼンテーションを行いました。当社グループは「お客さま第一に、マーケット志向で行動する顧客創造企業を目指します」という経営理念を当時掲げていたものの、私としては「本当にそれができているのだろうか」という疑問を抱いていました。

S・A 19年は、オフィスカジュアルの浸透などのライフスタイルの変化によって、紳士向けのビジネスシューズや婦人靴などの主力製品の消費が落ち込んだ時期です。

T・N だから、私に限らず多くの社員が同様の問題意識を持っていたのではないでしょうか。そうした折、書店で偶然手に取ったのが『ファンベース』※1という書籍でした。

N・M その書籍は私も読みました。企業として永続的に生き残るためには、以前からの熱心なお客さま(ファン)に売上の大半を支えてもらうための施策を基盤にして、中長期的に売上や企業価値を向上させることが重要だと書かれていて、とても印象的でした。

T・N 読み出すとたちまち夢中になり、「当社グループが目指すべき『お客さま第一』はこれだ」と深く共感しました。「リーガル」ブランドの愛好者の方々が、より強力なファンになってくれれば、購入頻度の増加はもちろん、周囲に当社製品の良さを宣伝してくれることで、新たなお客さまの開拓にもつながります。また、ファンは熱心だからこそ、製品やサービスに多くの意見・要望を持っているはず。ファンの声を直接聞く機会を設けて、今後のマーケティングや製品開発にフィードバックさせたいとも考えました。これらを実現する施策の一つとして、ファンミーティングの開催を発案しました。

※1:佐藤尚之著、ちくま新書

「面白そうだから、かかわりたい」
社員たちの資質の高さを再認識

T・N ファンミーティング開催の提案については、経営層からの評価も概ね良く、数ヶ月後に人事部のサポートの下でファンミーティング委員会が発足し、イベントとしての具体的な検討を開始しました。公募で選ばれたメンバーの所属部署は製造、小売、企画、営業、商品開発などバラバラでしたが、それゆえに多種多様な意見が積極的に飛び交い、とても良い雰囲気で検討が進みました。

N・M ファンミーティングを開催する前のリハーサルとして、社員を対象にした「社内ファンミーティング」を本社で実施していました。当時、私は大阪の営業所に勤務しており、「本社で面白そうなことをやっている」と興味津々でした。

S・A 当時の所属部署の上司や先輩も、社内ファンミーティングに参加していました。「盛況で、とても楽しかった」と、後でその様子を興奮気味に教えてくれたのを覚えています。

T・N 多くの社員が「面白そうな試みだ」と思ってくれたようで、社内ファンミ―ティングには首都圏近郊のたくさんの社員が参加を希望してくれました。終了後も、ファンミーティング委員会のメンバーやサポートスタッフになりたいとの申し出は多かったですし、「こんな企画はどうでしょう」と、実施内容について具体的にアドバイスをくれる方もいました。このイベントを通じて、当社の社員は皆、面白そうなことがあれば積極的にかかわりたいと思っているし、より面白くするために率先して考えてくれる人たちだと再認識できました。商況が厳しい時期でしたが、「こんな前向きな仲間たちならば、会社の未来は明るいはずだ」と確信しました。

コロナ禍で開催が一年間延期。
ファンの要望でオンライン開催へ

N・M しかし、第1回の開催を予定していた20年1月に新型コロナウイルスの感染が拡大したため、ファンミーティングは延期となりました。改めてスタートできたのはちょうど1年後、1月になってからでした。

T・N 延期決定の際には、かなり落ち込みました。今までの苦労が水泡に帰したのですから。しかし、参加を予定していたファンの方々から「オンラインで良いので、絶対に開催してほしい」との要望をいただき、とても励みになりました。結果的に、21年からの第1、第2回はオンラインで開催しました。内容は、ファンの方々と社員とのグループトークがメインでしたが、靴や皮革に限らず、音楽や文化など多岐にわたる話題で大いに盛り上がりました。「リーガルってすごいね。出会えて嬉しかった」と、ファンの方から温かい言葉もかけていただき、終了後に委員会のメンバーやサポートスタッフとともに成功を喜んだことは、良い思い出です。この成功体験が、現在に至るまでのファンミーティングの継続につながっていると思います。

ファンミーティングへの参加で、
ファンの大切さを実感してほしい

T・N それ以降、6回にわたってファンミーティングを開催してきました。ここにいる二人を含め、委員会のメンバーたちは「ファンミーティングをどうしたらもっと良いものにできるか」を主体的・積極的に考えてくれていて、嬉しく思います。

S・A 私自身は、第3回の開催時にサポートスタッフとして初めて参加しました。ファンの方々の愛情あふれる生の声を聞くことができ、嬉しいと同時にリーガルコーポレーションの一員である自分を誇らしく思いました。今後は「リーガル」ブランドを愛してくれるファンの方々がより楽しい時間を過ごしてもらえるよう、ますます努力していきたいと思っています。

N・M 私もファンミーティングへの参加を通じて、熱心なファンに支えられている「リーガル」ブランドを、改めて好きになりました。だからこそ、今後もファンミーティングを中心に、ファンの方々とつながりを持てる機会を増やしていきたいです。ファンのニーズを直接聞ける場を増やし、自社のサービスに反映させ、当社とお客さまの関係性をより良いものにしていきたいと考えています。

T・N 私自身は委員会を卒業しましたが、社員の皆さんにはファンミーティングを通じて、「ファンの方々がいかにかけがえのない存在であるか」を実感してほしいですね。ファンあってこその「リーガル」ブランドであり、私たちでもあると認識することで、普段の仕事へのモチベーションも変わるはず。その意味でも、できるだけ多くの社員に何らかの形でファンミーティングにかかわってほしいと願っています。

※ファンミーティングについての詳しい情報は、以下よりご覧いただけます。
https://www.regal.co.jp/fanmeeting